シュール手芸作家・ころとろのblog

シュールな手芸をたくさんつくる。ころとろがつらつらと思ったことを書いているブログですよ

コスプレイヤー撮影のやり方とかいろいろ書いてみる、の話

こんつわ、ころとろです!コスプレイヤーさんの撮影したい!とか、やってるけどいまいちよくわからん!段取りが上手く行かない!みたいな人向け、私なりの撮影と撮影準備のポイント的なことをふと思いつき、書いてみます。結構長くなったぞ。

 

はじめに

私に関して撮影者としての自己紹介。間を空けつつ10回以上はコスプレ撮影をしたことがあります。普段は花撮ったり風景撮ったりします。でも写真の腕はぜんぜんまだまだです!
ほんとに最初は全く勝手がわからなかったし、さらに流行で変わっていくことも多く、何が絶対というルールはなかなか言いづらいのですが、最初から知ってれば良かった!って今更思ったことをまとめています。何かの助けになれば幸いです!

 

 

 

機材について

まずはおおむね必要な機材について。

一眼レフ、もしくはミラーレスのカメラ
一眼レフ所持のほうがカメラマン募集は多いですし、レンズ替えたりする撮影の楽しみの面からも一眼レフをお勧めします。私はNIKONのフルサイズ機使ってますが、コスプレイヤーさん側はよほどこだわりのある方でない限りDX機でも問題ないし、私の見聞きする範囲ではカメラメーカーを気にする方もあまり見かけないです。強いていえばCanon派の方はたまに見かけるかもしれません。まあ、カメラの細かい選び方は予算とカメラ屋さんにご相談だと思うので割愛します。

クリップオンストロボ
単体でも発光し、カメラ本体にも外付けでつけられるタイプのストロボです。2つあると大体大丈夫です。ガイドナンバーという発光の強さの値が高いもの、またよりコンパクトなものの方がいいですが、こちらもお値段とご相談で。
私のおすすめメーカーはニッシンです。

ストロボにはコンセント電源を使うタイプの大容量の種類もありますが、コスプレ撮影の場合、半野外だったり、コンセントの使えないスタジオでの撮影が多いので、乾電池で使えるクリップオンストロボを活用する方向のほうが無難です。

ストロボだけで持っててもなかなか思い通りの写真を撮るのは難しいですが、まずは光量が足りない時に天井バウンスさせて使うなど、あるとぐんと撮影の幅が広がります。またストロボアクセサリを買い足したり自作するのは撮影沼の楽しみの一つだと思います。

一眼レフの場合、交換レンズ
大人数、10人以上の併せとかを撮影する場合には広角レンズがあると安心です。
シェアスタジオにせよレンタルスタジオにせよ、あんまり広くないところで大人数を撮ることが結構あります。あと広角レンズはあおり構図で足を伸ばすとかの撮り方も一応できますし。
ポートレート用とよく言われる50mm相当の単焦点レンズもあるといいです。被写体が一人(ピン、ピン写とか言われます)の時用に、F値1.8くらいまで行ける明るめの単焦点レンズが一本あると良いかと思います。F値1.4でもお財布が間に合うかたはもちろんそちらで全く問題ないかと思います。

SDメモリーカード


私はRAW記録用に64GBを一枚、JPEG記録用にWIFI転送機能付きの16GBを一枚使ってます。半日から丸一日がかり、4~6時間の撮影で使い切らないくらいのことが多いです。6時間以上の撮影の場合は複数枚用意するか、ノートPCを持参して画像ファイルを移し替えて撮るなどしたほうがいいかもしれません。

カメラの替えバッテリー
忘れがちですがカメラと一緒に1~2本買っておくと安心です。4時間以上撮ってるとなんだかんだで結構すぐ電池容量がなくなります。


次に持っていると便利な機材について。
ストロボディフューザー

通称「影とり」とよばれる、ストロボの前に着ける組み立てタイプの小さい白い板のような機材です。光をディフューズしてくれて、ストロボを使って人物を撮るときに顎の下に出るくっきりした影をぼかしてくれます。
私はカメラ内蔵ストロボ用をよく使ってます。クリップオンストロボ用もあります。とりあえず最初に買って今も頻繁に使ってる機材ですね。

スタンド

カメラ機材店で買うと結構高いのでアマゾンでも買えるような安価なスタンドセットがおすすめです。作りはややちゃちくなりますが、持ち運びが軽いし、実際クリップオンストロボをつける重さなら十分使えます。
ストロボを高い位置などに設置したいときに使います。だれかがずっと頭の上に持ってるわけにもいかないですもんね!銀と白のアンブレラが付属してるセットも多いです。まずは1セット用意しておきましょう。慣れてきたら複数欲しくなるかと思います。

カラーフィルター

ストロボ用、セロファン風のシートが多色、何種類も入ってるカラーフィルターセットがあります。ストロボ発光部分に輪ゴムやマジックテープで取りつけることで、光の色味を変えることができます。
コスプレ撮影の場合、イルミネーションっぽい光を作りこんだり、非日常っぽい光を演出して撮ることもあります。レタッチで色変えしてもいいんですが、光の色を変えればすぐ効果が目に見えるので、バリエーションの一つとして持っておくと楽しいです。

レンズ用フィルター各種
レンズフィルター、まずはレンズ保護用のプロテクターをつけておきましょう。
でないとうっかりレンズ割る事態が発生して泣けます。

他のレンズ用フィルターはいくつか試しましたが、現在私が使ってるのは以下2つだけです。
PLフィルター

コスプレイベントなどでは、ゲームセンタ―で撮る機会が意外とあります。よくPLフィルターの作例にある使い方は水面の映り込み消しですが、ゲームセンターの画面や透明プラ素材の映り込みを消すのにも重宝します。
とはいえ、ほかのフィルターよりかなりお値段高めなので最初のマストではないです。
使用しないときに比べてすごく光量が減って暗くなります。使用後撮影場所を変えるときなど、うっかり外し忘れのないようにしましょう。私は良く忘れます。

クロスフィルター

点光源を十字にできる効果のあるフィルターです。キラキラ~って感じになります。シャンデリア照明などで撮影するシチュエーションで使うと非常にレイヤーさんの受けがいいです。私はやったことないですが、夜景での撮影でも使えそうです。光源の強さに光条の長さが対応するので、イラスト効果でよくあるほど派手な画面にはなりませんし、もちろん後から画像加工で光を作ってもいいのですが、光が自然に作れる&撮ってすぐの画像確認で結構盛り上がれるので一つ持っておくのがおすすめです。
アイドルぽいキャラの撮影だと私は必ず持っていきます。

余談ですが私はプロテクター以外のレンズフィルターは持ってるレンズのなかで一番径の大きいものに合わせて1枚だけ買って、他はステップダウンリングを購入して使ってます。この辺、世のカメラマンはどうやって折り合いをつけているのか謎です。ていうか撮影の時は慌てていることも多く、左手でレンズの前に据えて使ってしまったりします。

エネループの電池

クリップオンストロボ用の単三乾電池はエネループで充電して使ったほうがエコかなと思ってそうしてます。

各種ストロボアクセサリ
私は丸い組み立て式のソフトボックスと、100均のペットボトルホルダーを改造して作ったスヌートを使ってます。
半透明のクリアファイル切ったりトレぺ下げたり、手作りでもいろいろ工夫の余地はあります。

ラジオスレーブ
カメラと、離れた位置のストロボを連動発光させるために使う道具です。ストロボに内蔵の、発光に反応する光スレーブモードのほうが反応がいい気が何となくするので、私は使える時はそっちを使ってます。
が、シェアスタジオなどで近くで複数組が撮影しているときは、周りの人のストロボ発光にも自分のストロボが反応してしまうので、そういう時のために代替手段として持ってます。
技適を通っていない中国製の製品を使うことはおすすめできません(ていうか違法)が、国内カメラメーカー製と比べてびっくりするほど値段が違います。最近はしっかり技適を通ってる中国製のラジオスレーブも徐々に登場してきていますね。

iPadなどのタブレット
Wifiで画像を転送できるSDメモリーカードや、カメラ本体のWifi転送機能とタブレットを組み合わせることで、撮影画像を大きい画面ですぐに見ることができる環境がつくれます。タブレット自体は古いものでも大丈夫です。
画像の大きさ容量により転送時間がちょっとかかる場合もありますが、スタンドタイプのタブレットカバーとかとセットで用意して、撮影画像を大きい画面でみんなで見られると、撮影がとても効率的になります。カメラの液晶画面を都度見せて回る形でももちろん画像確認はできますが、やはり画面が小さいので。

充電器一式
もしものためにカメラバッテリーの充電器、電池の充電器、ほか予備の電池とか充電コードは持っておきましょう。不測の事態はよく起こります。

さて、そもそも撮影依頼をどこで探すか

コスプレイヤーアーカイブ」に登録しよう

www.cosp.jp


コスプレイヤーアーカイブ」の「あわせ掲示板」を見たり、カメラマン募集系の「同盟」に入会して同盟内の掲示板を見てみましょう。
コスプレのカメラマン募集の傾向が大体わかると思います。
サイトの登録形式が二種類ありますが、ユーザー登録の方で大丈夫です。

ツイッター募集が最近多い
最近はツイッターで「カメラマン募集」と検索しても結構出てきます。

応募するときのメッセージの送り方、質問しておくとよいことなど
挨拶、HNを名乗って軽い自己紹介と、持参できる撮影機材(カメラのメーカー・型番、他機材一式についてなど)、カメラマン応募の旨(また、どこの書き込みを見て連絡しているか)を書いてメッセージを送ります。
また、レイヤーさんは撮影予定、募集予定を複数持っている方が多いので、私は取り違え防止のため、自分が応募する撮影予定の日付と作品名をかならず応募メッセージタイトルに入れるようにしていました。

募集の時点である程度情報が出ているかとは思いますが、撮影参加予定人数、場所、時間、場所のタイプ、レイヤーさん側が今回必ず撮っておきたい内容(原作シーンの再現がしたい、特定の撮影イメージがある、全員の集合写真が欲しいなど)についてはどこかのタイミングで当日までに聞いておいたほうがいいかと思います。

前日までの撮影準備

やりたい撮影内容について資料、イメージなどを参加のレイヤーさんから送ってもらい、合わせた機材を準備。
これはレイヤーさん側や自分に明確なイメージがある場合とない場合、また撮影の人数規模などにもよるのですが、準備のためにもわかる範囲で資料や要望はもらったほうがいいです。
広角がなくて集合写真が撮れないとか、水場での撮影など、持参機材の都合で対応できない場合もありえます。

充電ほんと大事
カメラのバッテリーとストロボの電池とタブレットの電源、全部フルにしておくのは時間がかかるので、撮影前日朝くらいには充電を始めましょう。

原作の構図、似たシチュエーションの構図や作例などを検索して撮り方を考えておく
ゲームやアニメの原作の場面を再現したい場合はその構図やポージング、光の当たり方、また同じキャラクターや同じ会場での撮影作例を検索して頭に入れ、撮影アイデアを考えておきましょう。「コスプレイヤーアーカイブ」の会場検索機能を使うと見られる過去画像がとても便利です。撮影当日その場で携帯でも検索はできますが、意外と撮影当日は慌てるし、考えることがいっぱい発生するので、できることは前日にやっておいたほうがいいです!

撮影当日のポイント

できればやや早めに会場入りしたほうがいい
着替えやメイクに時間がかかることや、待機場所の狭さなどを考慮され、お待たせしてしまうので着替え終了頃、1時間ほど後から撮影場所に来てください~と配慮してくださるレイヤーさんはとても多いです。男性カメラマンさんが相手だと特にそうかもしれません。
でも、レイヤーさんのカギのかかる着替え場所がちゃんと確保されているなど、そのあたりの事情がクリアされている場合(コスプレイベントや大規模なシェアスタジオなど)など、やや早めのタイミングで会場入りすることをお勧めします。レイヤーさんと一緒に撮影場所に行く場合など、集合場所から撮影場所に行くまでに参加メンバーとコミュニケーションをとって互いに緊張を和らげておくことも大事ですし、撮影場所についてから、カメラマンが撮影開始前にやっておくと良いことは実はとても多いです。

会場についたら、使用できるコンセントの有無を念のため確認
機材の充電の都合です。もしもの電池切れた!ってなった時に慌てないためです。
また、公園などの場所をイベント団体が借り上げて開催されるコスプレイベント、CURASやハコスタジオなどのシェアスタジオの一部ではコンセント電源が使えません。そこにないのはともかく、事情により有っても使っちゃいけないこともあります。後述しますが利用規約をよく読んでおきましょう。

撮影場所の照明、天気、光の当たり方、造作、小道具を確認
スタジオによりますが、備え付けの照明機材の有料レンタルがあったり、無料で自由に使用できることもあります。使い方のチェックや(大体設置されているのは誰でも簡単に扱える蛍光灯のソフトボックスやLED照明です)、撮影が可能な場合は色温度を見つつ撮影テスト、設定の確認をしておきましょう。ストロボの色温度設定のまま蛍光灯下で撮ったら色が不自然になりますよね。持参のストロボと一緒に使うとしてもカメラの色温度設定調整が必要です。
またスタジオに外光が入る場合、天気や時間帯による日光の当たり方の変化なども関係してきます。この辺も事前にスタジオHPなどでわかることとわからないことがありますので、現場で確認が必要です。

またスタジオスペースの造作や小道具があったり、実際撮影場所にはいろんな未知の要素があります。どう撮ったら映えるか、どういう構図がいいかといったところを待ち時間に下見しておきましょう。

理想的には照明の計画、構図の計画を待ち時間の間ににばっちり立てておいて、最初の2・3種類の構図はそこに立ってもらって撮るだけ!の状態に持ち込めるといいです。
着替えてすぐはレイヤーさんたちも結構慌てているし互いに緊張しているので、その時点である程度画面のイメージがバシッときまった写真がすぐ撮れると、できるじゃーんみたいな感じで撮影の雰囲気がよくなります。なかなかそこまで完璧に準備するのは難しいですけどね…。

大型併せの場合はタイムスケジュールを把握しておく
4人以上の撮影の場合、概ねレイヤーさん側にとりまとめ、主催の方がいるはずなので、必ず時間配分について事前に打ち合わせして頭に入れておいたほうがいいです。おろおろしてると時間は結構早く過ぎます。

シェアスタジオの利用について
複数組がスタジオ内にいて撮影している状態が半日~一日中続くので、レイヤーさんの話や希望も聞きつつ、どのあたりが混み合いそうか、またどんなスペースが作品イメージに合うか、など考えて一緒に撮影スケジュールを立てましょう。例えば教室イメージのスペース、和風イメージのスペースなどは作品によってまずないな~とか、絶対必要でしょ、とか全く異なるかと思います。まあ廃墟とか、白・黒ホリとかはどんな作品でも一応使えたりしますね。よほど撮影イメージとずれない限り、シェアスタジオ全体の撮影可能なスペースは一通りすべて下見し、それぞれ広さや光の当たり方、構図の取り方などをチェックしておきましょう。

結構忘れがちなチェックポイントとして、天井の色と高さがあります。シェアスタジオのシチュエーション別スペースでは、ストロボで天井バウンスさせた光が天井の色に影響されることや、そもそも天井が高すぎてバウンスがかなり弱まって感じられるということがあります。


注意事項や利用規約はかならず読んでおく
コスプレイベントやシェアスタジオなどは入場時にめっちゃ細かい字の書かれた利用規約の紙を渡されます。レンタルスタジオは概ねHPに注意事項や利用規約が載っています。めんどくさいですがまじめに読んでおきましょう。知らなくて起こしてしまうトラブルは極力避けましょう。
例えば、白ホリ保護のためスタンドの足には必ずカバーをつけて置く必要のあるスタジオや、特定の場所の撮影やスタンド立てを禁止されているイベントがあります。

あらかじめご飯を買っておく、ついでに撮影場所近くのコンビニや100均を把握しとくと便利
終日や昼間の撮影の場合、お昼ご飯は短時間で済ませることが多いです。行きにコンビニでご飯や飲み物を買っておきましょう。保管に冷蔵庫がいらず、食べるときに周りが汚れないおにぎりやパン、ペットボトル飲料がおすすめです。またイベントやスタジオによっては、飲食可能な場所があらかじめ決まっている場合もあります。
レイヤーさんの急な買い物を代行する場合(着替えてから○○がない!困った!このまま外に出れない!てことがあります、できる範囲で協力しましょう)とか、自分の急な買い物が突発的に発生することがあるので、撮影場所の最寄りのコンビニや百均の場所はできれば把握しておくといいです。

最初に撮影画像サイズ、ファイル形式、送付期日、手段は確認しておく
RAWとJPEGのどちらで撮るか、いつまでのどの状態のデータを送るかは最初になるべく打ち合わせましょう。私はRAWとJPEG両方記録しておいて、全データJPEG+自分でピックアップした数点をRAW現像したJPEGを追加しお送りすることが多いです。もちろんRAWも希望を聞きつつお送りします。
途中、明らかなミスショットやテストショットであっても、画像のファイル名の連番が途中で抜けてるとちょっともらった側が不安になるかなと思うので、私は全データまとめてお渡しすることにしています。送付にはギガファイル便をよく使います。

データ送付期限については平均すると2週間以内が目安かなと思うんですが、もっと長く待てる、そんなに待てないという方など個人によってありますし、キャラクターの誕生日や記念日に撮影画像を発表したいなどの理由などでもっと短期必着の場合もあると思います。

レイヤーさんで撮影データはいらない!どうでもいい!という方はまずいらっしゃらないかなーと思うので、この辺りはしっかり認識を合わせておきましょう。私自身はこれまでトラブルはないですが、周囲で見聞きするカメラマンさんとレイヤーさんのトラブル原因の多くは画像受け渡しの期日についてである印象があります。

さて、撮影を始めてから

イメージを確認しながら進める、色味と露出のこだわりを聞く
撮りたい内容がぼんやりとしている場合、色温度や露出、被写界深度を調整しつつ、互いにイメージを合わせていきましょう。特にカメラマンの立場からだと、色温度設定は基本人の目の印象により近くするのが当たり前と思い込んでいる節があると思います。(ていうか私がそうでした)でも、キャラクターによっては人の目の印象より青みに寄せて人工的な感じの写真にしたい、っていう要望のあるレイヤーさんもいらっしゃいます。こちらが撮った写真にレイヤーさんが納得されていない場合、色温度についても確認してみるといいと思います。もちろんケルビン値ではなく色味で聞きましょう。

露出と被写界深度は言うまでもないですが、作品やシチュエーションによっていろいろですね。
2人以上の場合、その場の明るさなどの都合でどうしても全員に要望通りにピントが合わせにくい場合などもあると思います。ポージングや立ち位置、構図含めて相談しつつ進めましょう。

大体の場合HN・CNは撮影中わかんなくなっちゃう
当然一応互いに自己紹介を初めにすると思います。ですが正直、3人以上の撮影の場合は特に、着替え前後で印象が変わりすぎてレイヤーさんの個人識別がわかんなくなっちゃうことが多いです。概ね、改めて聞いても皆さま広い心で答えてくださいますし、むしろ撮影中はキャラ名で呼んでも大丈夫な感じの方が多いです。なので逆に、キャラクター名がはっきりわからないまま撮影に臨むのはやめたほうがいいです。
ちなみに以前はいろいろな種類のコスプレ写真を使った名刺をレイヤーさんが作られていて、コスプレイヤーアーカイブツイッターのアカウントなどの連絡先の交換をするために受け渡しすることもありましたが、最近はあまり見かけません。別にそもそも決まりがあるわけではないと思いますが、名刺文化自体が廃れてきているとの噂です。

最悪リサイズはできるので、よくわかんないときは広め構図パンフォーカスでとっとくのも手
非常に最悪なテクニックですが、構図が本当によくわからないときは引きでなるべく絞って撮っておく保険をかけておくことが私はあります。特にパーティなどの場面とか、作業途中などの自然な感じを撮りたいって場合などです。シャッターチャンスを逃しても、自然な感じをもう一回リクエストするのは酷なので、引きで撮ってあとでゆっくりトリミングしてお渡しする手もあります…。

衣装とかメイクとか、キャラクターの好きなところとか、絶対レイヤーさんにこだわりはあるのでそれを聞きつつ撮影していく
衣装自作をされる方も多く、また作品愛やもちろんキャラクター愛、シチュエーション愛があってコスプレをされている方が多いので、その方なりのそのキャラクターや衣装、撮影場所へのプラスのこだわりがあると思います。あるいは、この部分は隠したい、ここは納得がいっていないといった形のこだわりの場合もあります(女性の男装の場合など)そういった部分を聞き取りつつ、そのコスプレに込められた意図を汲み取って撮影できると、より良い撮影になるかと思います。

二次元美少年、女性の男装について撮影のポイント
基本的なポートレートの原則(背筋をしゃんと伸ばしてもらう、立ちポーズの場合足の甲を片方正面に向けてもらうなど)の細々した知識は使えるのですが、とはいえ男装なので女性ポートレート作例によくある曲線を意識したポージングや構図のとり方をしてもあまり意味がないです。かといって、男性ポートレートの作例にある顔の印影をめちゃくちゃ渋くドラマチックに出す、といった画面は、乙女ゲーやアイドル系などのキャラクターの男装の場合は多くは求められていないです。
また、コスプレメイクの定番として、目尻と耳の間やこめかみのあたりにテーピングを入れたり、あご周りに強めのシェーディングを入れる方が多いです。それらがばっちり映り込んでしまうとかなり画面が不自然になってしまうので、真横などから撮るのはやや難易度が高いです。
二次元美少年の仕上がりを目指す場合、トータルとしては顔は正面~やや斜めから、画面は明るめ、身体や顔のラインの丸みを見せないようにりりしく撮る女性ポートレート、という感じです。より男性ぽく寄せるというより、中性的な印象が出せれば良いかと思います。
身体に沿わせる肘を曲げないようにしてもらうとか、あごの角度をいくつか研究してベストをさがすなど、より直線的、中性的な印象を出すために工夫できるところは色々あると思います。
私は概ね、肩を意識的にカメラに対して正面に向けてもらってやや広く見せたり、あごの引き具合や肩周りの姿勢についてこまめに声をかけつつ撮っています。

撮るタイミングは必ず声をかける
チーズ!でもハイ!でも321!でもいいので、撮るタイミングは必ず声をかけましょう。あと結構頻繁に画像確認をしてもらうとより良いかと思います。逆の立場として、どんな風に写ってるかは必ず心配になると思いますので。
さすがにカメラマン側で注意が回りきらないこともありますが、前髪のかかり具合とか衣装の細かな乱れなど、チェックしながら撮れるといいです。

撮影終了後

忘れ物マジ注意
普段より細かい荷物がめちゃくちゃ多いと思うので、忘れ物注意です。外したレンズは特に存在を忘れやすいです。

アフターもお付き合いできればする
撮影のあとの打ち上げ的なアフターと言われるご飯会などがある場合もあります。ご一緒できる場合は行ってみましょう。別の撮影のご縁につながったりすることもあります。大体ファミレスが多いです。

写真の掲載について

近年はスマホの画像アプリでの肌や髪の加工が手軽になったので、撮ってそのままや、レタッチを入れないRAW現像だけでの発表をよしとしないレイヤーさんが多いです。カメラマン側としては逆に階調表現が減ってもったいなくね?て感じに思うこともありますが、まあ趣味のことなので、しっかり肌加工をしてからでないと発表したくない!というレイヤーさん側の主義はちゃんと尊重しましょう。ほかにも発表時の名前の表記など、確認すべきところはちゃんと確認してから発表しましょう。

おわりに

ざっとこんな感じです。機材や当日の段取りなど、もちろん人により色々あると思うので、これが絶対!というわけでは全くないのですが、全然わからない状態の方の助けになれば幸いです。

今回具体的に撮影内容についてはあまり触れていませんが、撮影のハウツーや構図のとり方については以下が参考になります。

「写真構図のルールブック」

「デジカメで人物を上手く撮る見本帳」

「クリップオンストロボ 本格ライティング ~オフカメラストロボ撮影を基礎から学ぶ」

ポートレートの基本、カメラの扱い方の基本はもちろん覚えておいて損はないかと思います。

それでは、良いカメラマンライフを!