シュール手芸作家・ころとろのblog

シュールな手芸をたくさんつくる。ころとろがつらつらと思ったことを書いているブログですよ

こっそり開催された美術展を観てきた、の話 

ちわっす!ころとろです!今日はこっそり開催された美術展を観てきた話だ。

それは最初から怪しかった

週末、旧友に久しぶりに会いたくSNSでメッセージを送ったところ、ちょうど彼が企画した美術展の最終日が近いから遊びにきなよーと言われた。もちろん行く!と返事をして場所を聞いたところ、某駅前の某店舗を指定された。なんだこれは。

24時間やってる(当たり前)

なんでも某店舗内で美術展をしているらしい。店がとても広くて一角を区切ったりしているとかなののだろうかと勝手に思いつつ、某駅に向かう。

常駐するわけにいかない


某店舗に入ってみる。外から見ても、入ってみても、普通のお店だ…

と思ったら、作品らしきものがこそっと上の方に設置されている。

 

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かなり上だ(いろいろこっそりなのでトリミングした写真)

ここにも!

 

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左が今回の作品、右になんかトリもいるぞ

全然区切られてない!!
お店に溶け込むようでいて、絶妙に溶け込めていない作品たちを観る。

駅前だけあって絶え間なくお客さんがくるようで、迷惑(?)になってはいけないかなと、お客さんのフリをしつつ、こそこそと鑑賞。とりあえずお茶を買って出る。

当たり前だがお店なので美術展スタッフの会場常駐はできないらしく、友人とは近くの喫茶店で会ってしばらく話したのち、パンフレットを販売しているというので一緒にお店に戻る。

謎のハンター試験

店舗だから物販も簡単なのかなーと思ったら、友人いわく
「レジに並んで、『山田さんか堀さんいますか?』って言うとパンフが買えるから」

(※なお、たぶん秘密の言葉なので微妙に固有名詞を変えています)
とのこと。ヤクの売人、いやハンター試験みたいな合言葉システムにワクワクしながらレジに並ぶ。なんだこれは。

レジの順番が来てスタッフに向かって合言葉を言う。するとバックヤードからアロハシャツ姿の男性が出てきてパンフレットを売ってくれた。聞くと会計はしっかり店舗とは別にしているという。まあ会計の仕組みを考えるとその方がいいのだろう。なんだこれは。

いろいろな可能性

この美術展を見て、日常にひそむ美術の視点、もしくは作品、というものを考えた。
てか、私も最近そういう作品をつくったりしていた。
日常の散らかってる風景を作品にする、キャプションだけの作品。

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(作者は私ではなく散らかしている人にしている)

色々考えた

美術を行う人たちの視点というのが、世の中のいろんな人たちの視点とか視野を広げることに繋がるとしたら、けっこう素敵なことでは、と私は思っている。

そういう意味で、店舗でこっそり美術展が開かれることの可能性みたいなものを考えたりした。
画一的でにぎやかな大量生産品(それも実はひとつひとつデザイナーがデザインしたものなのだが)に囲まれた店内に、一点ものの美術品がひょっこり紛れ込む(実のところ紛れ込めてないけど)ことの面白さ、日常から薄皮一枚のところに並存する非日常、というものを感じて、とてもたのしい体験だった。
あと謎の合言葉による購入システム、このユーザー体験だけでも相当すごいと思う。

そうそうぽんぽんおおっぴらに開けはしないと思うけど、こういう美術展、すごく面白いなーと思った。