シュール手芸作家・ころとろのblog

シュールな手芸をたくさんつくる。ころとろがつらつらと思ったことを書いているブログですよ

六本木クロッシング2022展「往来、オーライ!」を観てきた、の話

おはようございます!ころとろです。

六本木ヒルズ森美術館で現在開催中の展覧会、「六本木クロッシング2022展:往来オーライ!」を観てきた話をします。とても良かったり何だか刺さった作者について順不同に述べていくぜ。

www.mori.art.museum

 

 

青木野枝

簡潔に言うと元々大ファンなんですよ!!!今回出展されるとも知らず……展示の終盤に配置されていて驚きつつテンション上げてました。以前豊田市美術館での大規模な個展にフラリと行って以来、かなり気にしている作家です。



鉄をつなげた作品について、鉄の硬質さと重さ、堅牢さがありながらどこかふわふわと軽やかな、もはや今すぐにでも地上を離れて飛んでいきそうなくらいの印象の造形が特徴だな〜まじ最高!と思ってます。別のシリーズでも鉄を使っていることが多い方なのですが、円環や曲線のモチーフを扱う時は常に軽やかな印象があります。

実際に近づいて作品を見るとめちゃくちゃ重量感がある(そら鉄だからな)のですが、総合的な印象は常に軽やか。

窓のあるスペースで観てみたかった気もするな、せっかく六本木ヒルズの上層階だし。ほんとめちゃくちゃ良いっす。今後も注目していきます!

 

市原えつこ

未来SUSHI!SNSとかでも話題ですね。飛行場の持ち物検査ゲートや回転寿司レーンなど、身近なイメージを色々展開しつつ、pepperやNEOなどのロボットとともに近未来のSUSHIを体験!って感じでした。一個一個のSUSHI、結構設定に工夫が凝らされていて面白い。楽しくてちょっと怖い妄想を作って見せるのにすごく長けている方です。

わたしは「うまい瓦礫」がとてもツボでした。最近自分でも「美味しい砂」を何とか作れないかなあと夢想していたところなのでタイムリーで、妄想がさらに広がりますね!

金川晋吾

しばらく行方不明で、近年再会できたという叔母を撮った連作写真作品でした。

個人的にお会いしたことがある作家なので、作品としての文脈とは別に、写真作品の中の叔母とご本人の顔立ちに共通点を見出したのが不思議な印象でした。

繋がりの不明さを浮かび上がらせるという意図の写真だったのですが、それを撮って展開しているご本人の姿にこそ叔母とのあきらかな共通点があったというパラドックス

身内を作品に使う(あえて使うという言葉を選びますが)こと、観客というか、ハタから見るとまじ不思議ですね。

 

折元立身

国内外でのたくさんのおばあさんたちの会食(10数人とか、時には500人とか)をもてなす作者、というパフォーマンス作品。

やっぱ一緒にご飯食べること、会食の場に居合わせることってめっちゃ特殊だよな〜とコロナ禍で浮き彫りになりましたね、というのがまあ普通の感想だし、そこを狙って配置された感満載ではあったのですが。先述の金川晋吾さんとかのように身内ではもちろんなく、めっちゃ全員知らないおばあさんたちなんですよ!?てかもはや海外の修道院に集まってきたおばあさんたちとか、作者と言語も通じてなくね!?て思いますよ。でもそういうの問題じゃないんだよな、会食の場を作ることってそれだけ強い。

それと、おばあさんたちと一緒に食卓につくわけじゃないんですよね、作者はあくまで給仕に徹する。写真や映像で展示される会食のようすの絵面はめちゃくちゃコミカルに楽しげで強いのですが、意味的なところちょっとパンドラの箱感があるな〜って思ってました。

 

山拓

めちゃくちゃ邪悪なサーバールームって感じのインスタレーション作品、空間でした。

コロナ禍で見出される日常の微かな痕跡や差異、とかを捉えた作品とのことでした、その印象ももちろんあるのですが、何つかサーバーや何か、得体の知れない重量感の何か、その異様さみたいなものを感じてとても印象に残っています。とにかく謎だ。

 

会期は2023年3月26日までとのことで残りわずかですが、良かったら観に行ってみてください〜

 

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そんな感じ!